私たちは、かつてに人類が経験したことのない環境の中で暮らしているといわれています。
そのようにいわれる理由のひとつが環境ホルモンの問題です。全国各地でゴミの分別が
徹底されるようになったのも、環境ホルモンが関係しているからです。
プラスチックなどに含まれる塩化ビニルを焼却すると、環境ホルモンの一種で、
歴史上最大の猛毒とだいわれているダイオキシンが発生します。わずか1グラムで
1万7千人の命を奪うことが可能とされるダイオキシンを、ごみの焼却によって、
発生させるわけにはいきません。
環境ホルモンはダイオキシンの他に70種類以上にもなっています。これらの環境ホルモンは、
さまざまなかたちで私たちの体内に入ってきます。体には不純物を排泄する機能があるの
ですが、環境ホルモンは非常に排泄されにくいという調査結果が出ています。
つまり、体内にどんどんたまる一方なのです。土壌が環境ホルモンに汚染されてしまうと、
そこで育てられた農作物が環境ホルモンに汚染されてしまいます。汚染された土壌に雨が
降れば、環境ホルモンが染みこんだ土から川へ、川から海へと、どんどん流れていき、
今度は海が環境ホルモンに汚染されてしまいます。
体によいからと、野菜をたっぷり、肉よりも魚料理をするように心がけている人もいますが、
その食材の中に環境ホルモンがまったくないとはいいきれません。現在の状況からすれば、
たいていのものに、ごく微量であれ環境ホルモンが含まれていると思ったほうがいいでしょう。
ちなみに環境ホルモンに汚染されていないか定期的な調査はしているようですが、よほどの
高濃度でなければ報道はされません。
DrTSAI〜