現代医療を支えている西洋医学が何もかも悪いかというとそうではありません。西洋医学の功は、検査、手術、救急医療の進歩と発展です。先にも触れたように、数多くの検査機器や検査方法が開発され、病気の早期発見・早期治療が可能になりました。救急医療の進歩によって迅速な検査と治療が可能になり、それまではあきらめるしかなかったような突発的事故や病気でも助かるようになりました。
しかし、なんといっても西洋医学の大きな功績は手術の進歩です。救急医療で多くの命が救われるようになったのも革新的な手術の発展があったからです。検査方法がこれほど進歩したのも、手術がここまで進歩したことが背景にあります。
今では胃や腸、肺、肝臓、腎臓、さらには心臓といった内臓器官はもとより、脳や血管の病気までも手術によって治療できるようになりました。つい20〜30年前なら死を待つしかなかったような病気でも手術が可能になり、日常生活に復帰することができるようになったのです。しかも、現在はレーザーや内視鏡などを駆使した手術法の開発によって、患者の負担が劇的に少なくなりました。 ここまで進歩したところを目の当たりにすると、いざとなれば西洋医学の最先端技術でどうにかなるだろうと思われます。確かに、手術で対応できる病気なら、西洋医学に頼れば安心かもしれません。
ただ、あくまでも「手術で対応できる病気」という条件つきです。
つまり、糖尿病や高血圧をはじめとする生活習慣病、アトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚病、リウマチやアレルギー疾患などの免疫系の疾患、がんなど、手術をしようにもすることができない慢性疾患については、治療は困難なのです。
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