細分化されてしまった現代医療からみれば病態は無数にありますが、中国医学の観点にたってみると、結局は5つしかないのです。現代医療は局部の症状にこだわるあまり複雑になり、それゆえに病気の根本原因を見失ってしまったといっていいでしょう。どこにどんな症状が出ていようとも、「その病気の原因となっているものを取り除けばいい」という、あまりにもシンプルな法則から目を背け、まるで無視しているかのように思われます。
先に述べた5つの症状は、いずれも汚血を取り除くことによって解決します。たとえば働き盛りの世代では、肩こりや腰痛を訴える人がたくさんいますね。たいていの人が、あまりにつらいときはシップをしたり塗薬を塗ったりするようです。
「腰の痛みや肩の痛みを飲んで治す」などとうたわれている飲み薬で対処する人もいるかもしれません。肩や腰の痛みは、その部分に腐敗したタンパク質や脂肪、ウィルスやバクテリアなど、数えきれないほどの雑物が混入した汚血が塊になってあるために生じています。「痛」という字を見ればわかるように、塊があるために詰まって通りが悪くなり、その結果、痛みが発生しているのです。
通りを良くすれば痛みは解決するのですから、滞りの原因である汚血の塊を取り除けばいいのです。これは誰でもわかることです。誰にでもわかるほどシンプルなことなので、人によっては「そんな簡単なことじゃない」と思うかもしれません。医師の中には「それができれば誰も苦労しない。取り除く方法がないから困っているんだし、研究もしているんじゃないか」などと言う人がいるかもしれません。実際、病気の原因は汚血であるという理論に基づいて、それを取り除く技術を持っているのは、現在のところ、私と世界で活躍している私の教えを受けた医師しかいないのです。
DrTSAI〜