体表部の汚血がたまっていく場所は、毛細血管と細胞の間です。つまり血管内ではないのです。血管を流れていない血液があるなんて、と不思議に思われるかもしれませんね。しかし、「ドロドロ血液」は、ドロドロであろうと、とりあえずは「流れている血液」です。
それに対して汚血はゼリーかレバーのような塊で流れるどころではありません。もちろん通常の血液のように栄養や酸素を運んだりすることもなく、いっさい体の維持に役立っていません。体表近くの毛細血管は、それぞれが体の中心部にある太い血管とつながっています。しかし、その毛細血管同士は、直接にはつながっていません。そのため血液は体の中心にある太い血管と体表部の毛細血管との間を相互に循環しますが、毛細血管と毛細血管の間を循環することはないのです。いわば縦のつながりによる流ればかりで、横のつながりによる流れはないということです。
そのため汚血は細くて血液が渋滞しやすい毛細血管が集中した体表近くにたまってしまうというわけです。体表の中でも最もたまりやすいのは背中です。背中には汚血のタンクがあるといっていいのです。汚血が最も多くたまっている場所は、両脇下、頸椎の第一骨から第七骨、肩甲骨の周辺、肩甲骨と胸椎の間、腰椎の両側と骨盤の内側です。よく肩がこるという言い方をしますね。肩こりがある人は、肩から首周辺、頸椎のあたりに、特に汚血がたまっています。
同じように腰痛のある人は腰周辺に汚血がたまっています。今や肩こりや腰痛のない人を探す方が難しい状況ですが、このことからも背中に汚血がたまっていることがよくわかるのではないでしょうか。
DrTSAI〜