人は誰でも生まれ持った体質があります。
風邪をひきやすいとか胃腸の調子を崩しやすいなど、それぞれ弱いところがあるのもそのためです。病気には先天的な要素を後天的な要素があります。汚血は遺伝的な要素の強い先天的な部分に作用します。どこにたまるかは後天的な要素と言えます。つまり、汚血は生まれつき弱いところに作用しやすいため、胃が弱い人は汚血がたまると胃の病気に、気管支が弱い人はぜんそくや気管支炎になったりするのです。また、どこにたまるか、どれだけたまるかは後天的な要素といえます。
すでに述べたように、汚血は背中を中心とした体表部にたまっていきます。しかし背中の汚血タンク以外の部分にもたまるのです。
汚血がたまっていくと、そのたまっている部分がしこりのようになり、痛みが生じるようになります。肩こりを例に取るとわかりやすいかもしれません。肩こりは血行が悪化して、肩周辺の筋肉に乳酸がたまることによって起こります。乳酸はエネルギーを消費するときに発生する物質で、代謝が悪くなると排出されずに大量に筋肉に残留し、疲労感を招きます。
しかし、それ以前に汚血もその部分により多くたまっていたのです。汚血がたまることによって血行が悪化し、肩周辺の筋肉に乳酸がたまって痛みが生じるのです。
同じことが胃の周辺で起これば胃炎などの内臓疾患になりますし、腸の近くで生じれば下痢や便秘、ひどい場合には大腸炎や大腸がんなどの病気が発症するのです。
毎年2月ごろになると花粉症になる人がいますが、そのような人の場合、顔の鼻周辺、頬などに汚血がたまっています。花粉症や鼻炎はNAT針灸を背中と同時に頬にも施すと、3〜4回で症状がなくなってしまいます。
皮膚病の場合も同じで、皮膚炎が起きているところは汚血もたまっています。その患部から直接汚血を取ると、めざましい回復します。
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