私のクリニックにやってくる患者さんは、それぞれさまざまな病気を抱えていますが、同時に肩こり、腰痛、頭痛で悩んでいるひとがほとんどです。その割合は99.9%と、そうでない人を探すほうが難しいほどです。
頭痛や肩こりがある人は首から肩甲骨のあたりにかけて、頭痛の場合は腰周辺を中心に汚血がたまっています。このような症状をシップ薬や塗り薬(頭痛なら飲み薬)といった消炎鎮痛剤で抑えても、痛みが和らぐだけでコリの原因である汚血がなくなるわけではありません。血行がよくなることによって凝固していた汚血が散らばることがあっても、汚血そのものがなくなったわけではないからです。
消炎鎮痛剤の効き目がなくなってしまえば、再びコリや痛みを感じるようになります。
最近は女性の間で針治療やお灸がブームになっています。確かに針灸は肩こりや頭痛、腰痛などに効果的です。シップや塗り薬などの消炎鎮痛剤を使うよりはずっと効果があります。なぜなら針灸は凝固している汚血をちらすことができるからです。針灸をするとコリや痛みがラクになるのはそのためです。
しかし、汚血が体内にある限り、再び弱いところに集まってきてしまうのです。そのため、針灸をしてもしばらくすると再び痛みが出てしまいます。最近になって、病院で調べても炎症や骨の異常はみつからず、原因不明の痛みが数か月以上続く「慢性疼痛」がクローズアップされました。厚生労働省によれば成人の15%が、筋肉や骨の分野で慢性疼痛と思われる症状を訴えているそうです。治療法は今のところ薬に頼らざるを得ない状況です。その薬も効く人と効かない人がいます。しかし他の病気同様、薬物療法は疼痛をますます慢性化させるばかりです。
慢性疼痛こそ汚血を取り除いて治療すべきでしょう。
DrTSAI〜