NAT針療法を可能にした薬草・針灸・カッピングはそれぞれ長い歴史を持つ治療法です。薬草や針灸は千年を超えるほど昔から医療に役立てられてきました。また、古代インドでは「吸角」といって、カッピングと同じ結果を出す治療法が行われていたことがわかっています。
私はこれら長い歴史を持つ治療法と現代医学とを融合させることによって、最先端の治療法として生まれ変わらせることに成功したと自負しています。薬草と針灸、カッピングの優れている点を、それぞれお話ししておきましょう。
まずは薬草です。実は洋の東西を問わず、あらゆる医学の原点は薬草にあるのです。それぞれの国の歴史や風土の中で医療のかたちは変わっていったにせよ、人類は体の不調を薬草によって解決してきました。
西洋医学が急激に発展したのは、ここ200年ていどのことで、それ以前の千年以上は、今でいうハーブ療法などが主流でした。
科学の進歩とともに化学薬品が全盛となりましたが、化学薬品も薬草の成分がもとになっているのです。つまり、薬草に含まれている病気に効く成分を化学的に合成したのが化学薬品であり、薬草の存在あってのことだったのです。
ちなみに薬草を体系化しているのは唯一、中国医学だけです。中国は5000年の歴史の中で、独自の医学理論とともに薬草の効能をありとあらゆる臨床例に基づいて実証し、それらを整理し、体系化してきたのです。科学がいかに発展しようとも、この膨大な臨床データに勝るものはありません。
何千年にわたって人類の治療に使われてきた薬草には、今も力があります。確かな効果があることはもとより、なんといっても化学薬品ほど深刻な副作用がないことが利点です。
蔡篤俊 院長