あらゆる病状には、速やかな処置が必要です。大量出血などの外傷的な事故には、西洋的な外科手術と点滴処置が必要ですが、発熱、ぎっくり腰、狭心症、胃腸痛、肝炎、痛風、背部痛、関節炎などは、東洋の「針灸治療」と「吸引排毒療法」に効果があります。
私は、毎月のように海外出張をしているので、飛行中に機内で急病人が出た際などの救急処置にあたることがめずらしくありません。
1回目は、アメリカから東京へのフライトです。子宮外妊娠の患者に痛みが発生しました。患者の命の危険性によっては緊急着陸か、そのまま直行するかを決めなければなりません。そこで、患者の痛みをとるために、針灸と温湿布を施しました。その結果、そのまま東京に直行することができました。
2回目は、香港から東京へ戻る便です。ぎっくり腰の香港人がいました。さわっても痛い、まったく体が動かない、悲鳴を上げている状態でした。私は患者を一目見て、呼吸正常、心脈正常だとわかりました。私は30本の針をその場で施しました。10分後、患者の痛みもなくなり、悲鳴も消えました。
3回目は東京から台北へ向かうときです。盲腸の発作で右下腹の激痛を訴える患者がいました。私はすぐ右、背部のところに2本、右腹部に10本針を刺し、灸もしました。30分後、痛みが緩和され落ち着いてきました。
この3例からわかることは、現代医学では痛みをとる早急な手当や処置ができないということです。すなわち実用性がありません。まず針灸治療をし、それから吸引治療をする。これがすべてすぐに効果のある手当になります。これが、東洋医学の素晴らしいところです。
いずれもカッピングまで行うことができれば完璧なのですが、針灸による汚血対処だけでも、これだけの即効性があるというわけです。
蔡院長