医学がここまで進んでも、いまだに確実ながんの治療法は確立されていません。そのため、体のどこかにがんが見つかると、誰もが大きなショックを受けてしまいます。
がんと診断された患者さんは、ほぼすべての人が大病院、大学病院を訪れます。最新の設備が揃っていて、医師もたくさんいる大病院、大学病院のほうが、万が一何かあったときでも安心だと思ってしまうのです。しかし、がんはなかなか良くならず、大病院を転々としたのちに、特殊な治療法を行う小さな診療所やクリニックを訪れます。そんなわけで、私のクリニックにやってくる患者さんは、たいてい末期がんです。しかも「余命半年」といわれているような状態です。
がんのステージ0、ステージⅠ、ステージⅡ、ステージⅢの患者さんに対する臨床としては、95%の患者さんの5年以上の延命率に成功しています。これは驚異的な数値というべきでしょう。
抗がん剤や放射線治療などもストップしていただくので、副作用に苦しむこともなく、軽いがんは非常に穏やかに自宅で生活することが可能になっています。ちなみにステージⅢ前の患者さんでも、放射線治療や抗がん剤治療の経験がより少ない人のほうが、延命率が高くなっています。
気づいたときにはステージⅢ前になっていて、放射線や抗がん剤の治療をまったく受けていないという人は、かえって不幸中の幸いというべきでしょう。放射線や抗がん剤による治療は、体に著しい負担をかけてしまいます。
免疫力が弱くなり他の病気を併発しやすくなるばかりか、体の機能そのものを低下させてしまいます。もちろん汚血はますますたまっていってしまいます。がんと診断されても、慌てず怖れることなく、心を開いてすべてのストレスを捨てるべきです。
そして、冷静に判断して、正しい治療法を選んでいただきたいと思います。
蔡篤俊 院長