肩こりや腰痛、関節痛などの主な原因は、ストレスと高脂肪の食事です。ふだんからストレスをためないようにして、豚骨スープやテールスープなど、濃厚なスープは食べないようにすべきです。これらの濃厚スープは分子が重いため、ほとんど体の隙間にたまるのです。
もっとも、食事の改善ならまだしも、「ストレスをためないように」といわれても難しいのが現状です。適度な運動で汗を流すのは、最も効果的で簡単なストレス発散法です。近頃は昼休みなど仕事の合間にランニングをする人が増えました。これは非常に良いことですが、もっと手軽な運動でもいいのです。たとえば、通勤時に一駅手前でおりて、歩く距離を長くするだけでもちがいます。
しかし、四十肩や五十肩のほか、ぎっくり腰など、運動などとてもできない状態の腰痛になると、ストレス発散のために体を動かすなどとはいってられません。これまでかなりひどい肩こりや腰痛の患者さんを診てきましたが、だいたい5回から6回ほどNAT針療法を行えば、ほぼ完全に治ってしまいます。
その後は2〜3ヶ月に1回、汚血を除去していけば予防にもなります。私の知人の医師で元大学病院のトップだった方が、椅子から立ち上がるたびに痛みが走るというほどの腰痛を抱えていました。NAT針療法を1回行ってから、翌日、会食をした際に「調子はどうか」と訊ねてみたところ、「これだけ座っていても腰が痛くならない」と不思議がっていました。
それまでは1時間ほど座っていると、もう腰が痛くなっていたのに、NAT針療法を行った翌日には、3時間以上も楽に座っていられたのです。彼は西洋医学一筋で生きてきたので、非常に不思議きわまりないことに感じられたのでしょう。
現代人のほとんどが肩こりや腰痛を抱えています。これは現代人がいかにストレス過多の生活をしているかということのあらわれでもあり、いかに汚血をためやすい状態であるかを表しているのです。ちなみに、肩こりや腰痛と深く関係している頭痛についても。同じ5〜6回の治療で改善します。汚血と共に痛みの因子まで取り除くので、頭痛が起きているときにNAT針療法を受ければ、即効性もわかることでしょう。
蔡篤俊 院長