以前、患者さんの汚血を、ご本人の了承をとってから大阪の血液センターに送ったことが
ありました。汚血の成分を分析してもらおうと考えたのです。成分を調べるのですから、
冷凍するなどして変質しないように細心の注意を払いました。ほどなく大阪の血液センター
から回答が来ました。その内容は次のようなものでした。
「細胞分泌物、脂肪、蛋白、数えきれないほどの毒素やウィルスなどの有害物質、
バクテリアなどが含まれていることがわかりましたが、その他にも相当な種類の雑物が
含まれています。その雑物があまりにも多すぎるため、成分の分析は不可能です。」
東洋医学では、不純物で汚れきってしまった血液のことを「汚血」といいます。これについては
ご存知かもしれませんね。しかし、「汚れてしまった血液」と聞けば、たいていの人が、
単なる「血液ドロドロ」という認識しか抱かないのではないでしょうか。血液の質を表現する
「血液ドロドロ」「血液サラサラ」という言葉は、いまではすっかり定着しました。
一般的に「血液ドロドロ」とは、脂質や糖質、水分不足などで粘度を増やした血液のことを
さしています。粘度の高い血液は、脳梗塞など血管障害につながるということから問題視されて
います。
「血液ドロドロ」を「血液サラサラ」にするためには、アルコールや脂っこい食事を控え、
水分をよくとり、十分な運動をすることなどが奨められています。
しかし、ここでいう汚血とは、「血液ドロドロ」とは異なります。もちろん汚血にも脂肪や
糖質などが含まれますが、その他にも数えきれないほどの不純物が混ざっているのです。
その不純物とは、私たちがもつ体の機能では、とても分解できないようなものばかりです。
DrTSAI〜